中小企業の事業承継ブログVol.3 ~誰に引き継ぐのか? その1親族内承継~

こんにちは! 事業承継専任スタッフの横田です。

 

8月も半ばに差し掛かりましたね。

梅雨が長引いたせいもあり、気温としてもまあまあ過ごしやすい日々が続いていましたが、

やってきましたね!40度越え!

私の住む地域でも、昨年初めての40度越えを記録し、そのうだるような暑さはいまだに記憶に残っています。

命の危険を感じるほどの厚さですから、皆さんもあまり無理をせずご自愛いただければと思います。

 

ちなみに40度以上の気温の日を「酷暑日」とよく聞きますが、正式な気象用語ではないとのこと。

ただ、これだけ毎年40度を超える日があると、正式な呼称となる日もそう遠くないかもしれません。

 

 

さて、今回の中小企業の事業承継ブログ、テーマは「誰に引き継ぐのか?」です。

前回は「何を引き継ぐのか?」というテーマで

 

①人の承継

②資産の承継

③知的資産の承継

 

の3種類を現経営者から後継者に引き継ぐ必要があることをお伝えしました。

 

ではそれらを引き継ぐ対象となる人は誰なのか?ですが、一般的には

 

①親族への承継

②従業員への承継

③第三者への承継

 

の3種類があります。(今回は、人への承継を中心にお伝えしますので、M&Aなどの選択肢はあえて省かせていただきました、ご了承ください。)

それぞれの承継のメリットデメリットや、押さえておきたいポイントなどを、今回を含めて3回に分けてお伝えしていきます。

 

 

まずは、

①親族への承継です。

 

親族といいますと、まず真っ先に思い浮かぶのが現経営者の子供ではないでしょうか?

親族内承継の範囲の定義はないのですが、ほかには現経営者の配偶者や兄弟、甥や姪、娘婿なども含まれることが多いです。

親族内承継は、昔は企業も家も家父長制的な風土が色濃く根付いていたため、ほとんどの中小企業はこの方法をとってきました。

家父長的な風土や少子高齢化により、親族内承継の割合は年々減少傾向にあるものの、今現在でも中小企業の半数以上は親族内承継を選択しており、

特に現経営者の息子に承継するパターンが最も多くみられます。

 

親族内の承継の場合、現経営者が会社運営を頑張ってきたこと、苦労してきたこと、成長を喜んできたことを長年近くで見ているため、

現経営者の会社に対する想いや大切にしてきたことを後継者が良く理解していることが多くあります。

また、かつては中小企業の承継は親族内承継がほとんどであったため、身内に継がせることに対して気持ちの上でも抵抗がない、といったこともメリットとして挙げられます。

そのため、従業員や取引先、金融機関などの利害関係者から後継者への理解を得られやすいことが多いです。

 

半面、親族内承継の場合には、後継者候補として挙げられる人数に限りがありますので、後継者に経営の資質が備わっていればよいのですが、

経営者に向いていないのに無理やり継がせることで、会社の経営が悪化し、結果として利害関係者が不利益を被ることに繋がりかねません。

また、後継者が現経営者の相続人である場合には、他の相続人に対しての配慮も必要となってきます。

 

例えば、現経営者に妻と長男、次男がいて、長男に事業を引き継ぐとした場合、長男は会社の株式も引き継ぐことになります。

(なぜ株式も引き継ぐのか?という疑問については、ブログ②~何を引き継ぐのか~にもすこし書きましたが、後日詳しく解説したいと思います。)

会社の株式はすなわち現経営者の個人資産であることが多いですから、株式の価値が膨大な場合、相続人間で納得のできる分配が出来ず、

相続争いとなってしますケースが多く見受けられます。

 

 

このような親族内承継のメリット・デメリットがある中で、承継をスムーズに進めるポイントは次の通りです。

 

①親族の理解を得るために、誰が次期経営者となるのかを話し合う場を設けること

 

弊社では、特に現経営者の相続人となる方に全員集まってもらい、「家族会議」を開催しています。

家族会議では、誰を次期経営者とするのか、経営者になるまでのプロセスや、会社への想い、家族への想いを現経営者に語ってもらい、相続人の皆さんの理解を得るようにしています。

気持ちとしての理解ができると、その後の遺産分割案などの話し合いもスムーズに進むことが多いため、私はこの家族会議が事業承継の最も大切なシーンだと思っています。

 

②後継者教育を計画的に行うこと

 

親族内承継の後継者は、承継のタイミングから少なくても3年前から自社に入社していることがほとんどです。

経営者は、この入社以降の期間で経営者となるべく教育訓練を施すのですが、親族としての甘えや「言わなくてもわかるだろう」という認識によるコミュニケーション不足により、

会社の仕事自体は身につけたものの、経営者としての責任や人脈、センスといった資質が育っていないことが多くあります。

経営者として何を学び、身につけなければならないのかを現経営者・後継者ともに理解したうえで育成し、万が一後継者に経営者としての資質が見られなかった場合のリスクにも備えておく必要があります。

 

 

いかがでしたでしょうか?

身内に引き継ぐといっても、様々な課題解決を図りながら進めていかなければいけません。

今は、事業承継にまつわる様々な優遇措置がありますので、どのように進めたらよいのか、何を活用したらよいのか迷われることがあると思います。

少しでも不安やわからないことがありましたら、ぜひ弊社にお声がけいただければと思います。

事業承継に関連する相談はいつでも、無料で承っております。ZOOMによるご相談もできますので、遠慮なくお申し付けください!

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