中小企業の事業承継ブログVol.5 ~誰に引き継ぐのか? 番外編 M&Aと廃業~

こんにちは!事業承継専任スタッフの横田です。

 

 

今一番の話題と言ったら自民党総裁選ですね!

 

政治については、様々なお考えや思想がありますので、あえてコメントは控えさせていただきますが、

健康リスクによる退任と後継者選び、これは事業承継に非常に似ているな、と思います。

事業承継の際、まず初めのターニングポイントとなるのが「経営者の健康リスク」です。

事故や病気などが原因で今まで通りの仕事が出来なくなったとき、

はじめて「この後会社はどうなっていくのだろう?」と想いを馳せる経営者の方は少なくありません。

また、選挙と会社の後継者選びという違いはありますが、似通っている点も多々あり、興味深いものがあります。

ただ、誰が総裁になり、総理大臣になろうとも政治は変化するわけですから、

私たちとしてもその変化に機敏に対応できるよう、考えを巡らせる必要があると思っています。

 

 

さて、今回のテーマは誰に引き継ぐのか?の番外編としてM&Aと廃業を解説していきます。

中小企業庁作成の「事業承継マニュアル」によると、中小企業のうち、後継者がいないため廃業を予定している企業はおよそ半数を占めています。

廃業を予定している理由としては、

当初から自分の代で廃業しようと思っていた(約38%)

後継者が見つからない(約29%)

事業に将来性がない(約28%)

といったものが挙げられています。

半面、廃業を予定していると回答した中小企業のうち、4割を超える企業が、

今後10年間の事業の将来性について、事業の維持、成長が可能であると回答しています。

つまり、事業の継続性はあるにもかかわらず、後継者不在のため廃業せざるを得ない状況にあるということがわかります。

 

 

廃業という道を進むのは決して悪い選択ではありません。

しかし、私は廃業を剣とされているお客様には

「ちょっとまった!」

と必ず申し上げています。

それは、廃業は最終最後の選択肢にしていただきたいからです。

では廃業前に検討すべきこととは何か?

それがM&Aです。

 

 

廃業よりもまずM&Aを検討していただきたい理由としては、以下のようなメリットがあるからです。

 

 

①利害関係者との関係性が継続できる

 

利害関係者とは、会社の組織や活動に何らかの関りや影響があり、利害を受ける人や組織のことをいいます。

具体的には、会社の従業員や顧客、取引先、債権者などが挙げれます。

廃業をすると、会社が無くなるわけですから、

当然、従業員も解雇し、会社の仕入れ先や買ってくれたお客様との関係も廃業とともに清算しなければなりません。

しかし、M&Aであれば、買い手の意向はあるものの、

従業員の雇用を守り、取引先や得意先に対しても今まで通りの関係を維持することが可能となります。

 

 

②会社の知的資産を承継できる

 

利害関係者との関係性と一部被りますが、会社が持つ知的資産もまた維持することができます。

事業承継における知的資産とは、経営理念、会社の信用、営業ノウハウ、社員のスキル、人脈や顧客情報、許可・認証のことをいいます。

いわば、会社が長年経営して培ってきた事業運営のための「強み」ですが、

廃業すればすべてゼロとなるものが、M&Aをすることで次世代に引き継いでいくことが可能となります。

 

 

③オーナー(株主)が売却による収入を得ることができる

 

廃業の場合、会社の清算として資産や負債をすべて処分した後に現預金が残った場合には、株主に配分することになっています。

配分の金額については、多くの場合、解散時の純資産価格を下回りますし、

精算時に個人保証つきの有利子負債が残ってしまった場合、保証人である経営者がその債務を負うことにもなります。

M&Aの場合には、オーナー(株主)は清算による配分よりも多くの資金を手に入れることができます。

それは、買い手からすれば、上記のような利害関係者との関係維持や知的資産を維持しているというメリットがあり、

付加価値として買取価格に転嫁されているためです。

 

 

廃業を検討されている場合には、

 

社内に後継者候補がいるか?(親族内承継、従業員承継)

外部から後継者候補を呼ぶことができるか?(第三者招聘)

事業を買ってくれる先はないか?(M&A)

 

をまずは検討していただき、どのケースにも当てはまらない場合には廃業を選択することをお勧めしています。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

経営者にとって、事業の存続か?廃業か?という選択は、非常に頭を悩ませる問題あり、

一つ一つの会社ごとに当てはまる条件が全く違うため、教科書通りの正解がなかなか見つからないのも事実です。

経営者の皆様のお悩みを少しでも解消していくのが私たちの使命ですので、

会社の行く末でお悩みの際は、ぜひ弊社までお問い合わせください。

PAGE TOP