こんにちは!株式会社ISTコンサルティングです。
巷で言われている「試算表」について、皆様はどのくらい考えたことがございますか?
【試算表とは?】
経営判断のために、決算以前に作成する会社の業績を表した資料(貸借対照表や損益計算書)のことです。
法的に作成義務のある「決算書」との違いは作成時期で、会社の任意のタイミングで作成するものです。○月分として、月1回作成するのが最もメジャーです。
【試算表の重要性-融資判断に活用】
経営判断のための試算表ですが、金融機関に求められたことはありませんか?
年1回の決算書のみでは、金融機関は融資の判断ができません。
例えば、3月決算で10月に借入を申し込んだ場合、決算書(3月の業績)を金融機関に提出しても情報が古すぎてあまり参考にされない可能性が高いです。3月までの業績がよくても、その後の業績が悪ければ、金融機関の貸出リスクが高まるためです。逆に決算時点の業績が悪くても、その後の調子が良ければ好条件で貸してくれる可能性もあります。上記の例では、少なくとも8月までの業績が反映された「試算表」を求められると思います。
【試算表の課題①-作成できない】
試算表を作成する場合、多くの会社様が決算をお願いしている会計事務所に依頼しているのではないでしょうか?
しかし、年1回の決算のみの契約の場合や記帳代行の場合は会計事務所で対応できない可能性があります。どういうことか会計事務所目線で考えてみましょう。
会計事務所の主要業務は税務申告です。年1回の決算のみの契約ということは、作成義務のある決算書を作る契約と言うことです。当然、任意のタイミングの「試算表」を作ることは困難です。記帳代行も同様で、対応可能なのは毎月コンスタントに資料を貰って入力が可能な場合に限られます。突然ドサッと○ヶ月分の資料を渡されて、すぐにお願いと言われても困ってしまうでしょう。
【試算表の課題②-精度】
試算表が出せる状態だとしても、その精度が低い場合があります。理論上の話ですが、「試算表」にミスがあったとしても、最終的な「決算書」に間違いがなければ税務の問題はありません(実はこの感覚で仕事をしている会計事務所がないとは言えません)。
借入申込の時、何とか試算表を持参できたとしてその精度が低いとどうなるでしょうか?
極端な話、金融機関に試算表が信頼されず「決算書ができるまで待ちましょう」と言われてしまうかもしれません。
過去にこんなことはありませんでしたか?
・試算表では大幅な黒字だったものが決算書で大幅な赤字になってしまった
・提出した○月分の試算表に漏れがあって、複数回の再提出を行った
こういったことが積み重なると、どうなるでしょうか。思い当たる節がある方は、知らずのうちに金融機関からの信頼を失っているかもしれません。
【試算表の精度向上のために】
以上、試算表の重要性と取り巻く課題についてお話をしてきました。
我々もお客様をご支援していく過程で、試算表の精度の向上が大きなテーマになるケースが多いです。
是非、今回の内容を参考に、ご自身の試算表について改めてお考え下さい。
次回は、試算表の精度UPのためのチェック項目についてお話したいと思います。