M&Aの目的(買い手企業)とは?

前回は売り手側企業の視点でM&Aを行う目的をまとめました。

今回は買い手側企業がM&Aを行う目的について整理してみたいと思います。

M&Aの目的(買い手企業)

 買い手企業とは、企業を買収(正確には株式の買取り)または事業を買収(企業の中の一部固定資産や営業権・従業員など、企業の中の一部事業を買取り)する側のことを表します。買い手企業がM&Aをおこなう目的は大まかに以下の5点になります。

①市場シェアの獲得

 同業者を買収することにより市場シェアの拡大を計ります。シェアを拡大することで同業他社間の競争力が高まり、市場における企業の存在価値も高めることができます。

 また、同業者を買収した場合、取引先が同じケースが多いので仕入の一本化によるコストカットを実現することができます。

②事業領域の拡大

 同業者ではなく類似業者(自社の外注先など)を買収した場合、外注に出していた業務を自社に取り込むことでコストダウンを図ることができます。

 また、得意先や仕入先が自社とは異なる場合があるので、新たな販路開拓及び取引先の開拓ができるようになります。

③新規事業参入と事業の多角化

 全く異なる業種を買収することは、新しく一から事業を立ち上げるよりも迅速かつ低コストで事業展開をすることができます。

 異なる業種の事業を2つ3つと増やすことで、業界の好不況に左右されてしまうといったリスクを回避することも可能となります。

④人材・ノウハウの獲得

 企業を買収することで売り手企業の従業員も同時に引き受けることになります。

 昨今人材不足が叫ばれており、採用が思い通りにいかない企業からすると、買収により得た人材は大きな宝になると思われます。

⑤事業承継問題の解決

 売り手企業に後継者がおらずM&Aを選択する場合、買収されることで廃業の危機を救うことになります。廃業とは文字通り企業を無くすことで、蓄積された技術・ノウハウ又はそこに働く従業員を失うことになります。

 そこに買い手側がM&Aにより手を差し伸べることは技術・ノウハウの承継、雇用の維持、地域への貢献といった観点からも非常に有益なものであると考えます。

 以上が買い手企業側から見たM&Aの目的となります。

 すべての目的に共通するのは、「自社の企業価値を高め成長する」ためにM&Aを行うということです。ただし目的に合致するからと言ってやみくもにM&Aを行うのではなく、自社の成長ビジョンを計画に落とし込み、いつ、どこと、どのようにM&Aを実施するのかを検討していただく必要があるかと思います。

 自社を成長させるためのM&Aを検討されている企業様がありましたら是非お問い合わせください。(初回ご相談は無料で承ります。)

 また、M&A・事業承継セミナーを随時開催していますので、興味がありましたら是非ご参加ください。

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