電子化を進めながら自社に合った仕組みを構築した事例
■ ご相談の背景
今回ご紹介するのは、サービス業(従業員約20名)の企業様の事例です。
長年にわたり、前任者から引き継いだ方法で経理業務を行っており、特に大きな問題もなく運用されていました。
しかし、
・電子申告
・電子納税
・電子帳簿保存法への対応
・クラウドシステムの活用
など、時代に合わせた業務体制へ移行することで、さらに効率化できるのではないかという考えから、業務フロー全体の見直しを行うこととなりました。
「今困っているから改善する」のではなく、
将来を見据えて、より効率的で属人化しない経理体制を構築したい。
これが今回の取り組みのスタートでした。
■ 抱えていた課題
現状の経理業務に大きな問題はありませんでした。
しかし、
・経理担当者に業務が集中している部分がある
・紙で行っている作業が多い
・現金精算や書類管理に時間がかかる
・将来的な人員交代を考えると属人化が気になる
という課題はありました。
そこで、
「本当に必要な業務は残しながら、電子化できる部分は積極的に電子化する」
という方針で改善を進めることになりました。
■ 実施した改善内容
経費精算の電子化
最も大きな改善となったのが経費精算業務です。
これまでは、
従業員が経費精算書を作成し、経理担当者が内容を確認したうえで現金を準備し精算を行っていました。
また、経理担当者は会計ソフトへの仕訳入力も行っていました。
そこでマネーフォワード経費を導入し、
従業員がスマートフォンで領収書を撮影し、
・経費区分を選択
・内容を入力
・送信
するだけで申請できる仕組みを構築しました。
経理担当者は申請内容を確認するだけとなり、
さらに仕訳データも自動作成されるため、
・現金精算業務
・仕訳入力業務
の大部分を削減することができました。
精算額は給与と一緒に支払われる仕組みとし、毎月の経費精算業務が大幅に効率化されました。
請求書の電子保存
メールで受領する請求書や、取引先サイトからダウンロードする請求書については電子データ保存へ移行しました。
また、郵送で届く請求書についてもスキャナー保存を行い、すべて同じシステム内で管理できるようにしました。
これにより、
・保管場所の削減
・検索性の向上
・テレワーク対応
が可能となりました。
クレジットカード連携
既に銀行口座との連携は導入済みでしたが、新たにクレジットカード連携も行いました。
これにより、
・入力作業の削減
・金額確認作業の削減
・入力ミス防止
につながっています。
給与業務の電子化
給与明細については紙で配布していましたが、電子明細へ変更しました。
これにより、
・印刷作業
・封入作業
・配布作業
が不要となりました。
さらに、給与ソフトで作成したデータを会計ソフトへ連携することで、給与仕訳の入力も効率化されています。
年末調整の電子化
年末調整についても電子化を実施しました。
従業員が直接入力することで、
・転記ミスの防止
・確認作業の軽減
につながりました。
また、還付税額もスムーズに12月給与へ反映できるようになりました。
社会保険手続きの電子申請
給与ソフトと連携しながら社会保険の電子申請も導入しました。
従来は紙で作成していた届出書類も電子化され、
担当者からは
「想像していた以上に簡単だった」
との声をいただきました。
■ あえて導入しなかった仕組み
受領請求書の管理から支払までを自動化する仕組みも検討しました。
しかし、
・利用している銀行がAPI連携に十分対応していなかったこと
・ソフト利用料との費用対効果
・相殺処理など特殊な取引があること
を考慮し、請求書管理については従来通りExcelを活用することになりました。
電子化を進めることだけが目的ではなく、
自社に合った方法を選択することも重要です。
■ 導入後の変化
今回の取り組みにより、
・経費精算業務の大幅な効率化
・現金精算業務の削減
・仕訳入力業務の削減
・給与明細配布作業の削減
・書類管理の電子化
・テレワーク対応
など、多くの改善が実現しました。
また、
「誰か一人しか分からない業務」
を減らし、
将来に向けた経理体制の整備にもつながっています。
■ お客様の感想
可能な限り電子化を進めましたが、実際に導入してみると、
電子化した方が良い業務もあれば、従来の方法を残した方が効率的な業務もあることが分かりました。
今回の取り組みでは、
「電子化すること」が目的ではなく、
自社に合った業務フローを選択できたことが大きな成果だった
とご評価いただいています。
■ まとめ
経理業務の効率化というと、すべてを電子化することをイメージされる方も多いかもしれません。
しかし実際には、
電子化した方が良い業務と、従来の方法が適している業務があります。
大切なのは、
自社の業務内容や運用方法に合わせて最適な仕組みを選択することです。
今回の事例では、電子化による効率化と現場での運用のしやすさを両立することで、将来を見据えた経理体制を構築することができました。
「うちのやり方は特殊だから相談してもいいのだろうか」
「今さら経理のやり方を変えるのは不安」
そのようなご相談を多くいただきます。
経理のやり方は会社ごとに異なりますので、まずは現在の状況を整理するところから始めることが大切です。
小さな疑問でも構いませんので、お気軽にご相談ください。





ホーム