近年、地震や台風、豪雨などの大規模な自然災害が全国で発生しています。
幸い当社の本店所在地である長野市では、生活や事業活動に大きな被害が出た災害はないですが、決して他人事ではありません。
どんなに特殊技術やノウハウを持っていても、脆弱な経営基盤の中小企業では災害時に事業縮小や廃業を余儀なくされる場合もあります。
そうなると各企業の事業だけではなく、日本のサプライチェーン全体にも影響が出る可能性があります。
これらの対策として国はBCP(事業継続計画)を立て、防災・減災対策を平常時から行い、発災時に事業縮小や廃業に追い込まれないような準備を中小企業に求めています。
この災害対策を促進するために、より簡易的なBCPである、「事業継続力強化計画」認定制度が開始されています!
事業継続力強化計画の内容を簡単に整理とすると、次の3ステップです。
①ハザードマップ等を確認し、自社拠点の災害リスクの把握(地震、浸水、土砂など)
②発災時の初動対応手順の策定(安否確認や被害確認など)
③ヒト、モノ、カネ、情報を災害から守るための対策の策定(必要であれば設備投資も)
決して難しい内容ではなく、最低限考えるべき内容という印象を受けます。
そして事業継続力強化計画の認定を受けると3つのメリット(優遇措置)があります。
①金融支援
・日本政策金融公庫による低利融資・・・設備資金について基準金利から0.9%引き下げ
・中小企業信用保険法の特例・・・普通保険とは別枠での追加保証
②税制措置
・事業継続力強化計画に従って取得した防災・減災設備の取得価格の20%の特別償却
③補助金審査時の加点
・認定を受けると、ものづくり補助金での審査時の加点ポイントになる
近頃お客様から、「発注元メーカーから発災時の対応についてどう考えているか聞かれた」という声も出てきており、何件か事業継続力強化計画策定のお手伝いをさせていただきました。
いざ計画を作ってみると、私自身も含め、今まで災害に対しいかに無防備だったかを思い知らされます。
皆様もこの機会に、自社の災害対策を見直してみませんか?
(文責:土屋 勇太朗)