みなさんこんにちは!
経営管理支援部の刈間です。
今日は、以前から気になっていた本を読んだところ、これからの企業経営を考えさせられる内容だったので共有したいと思います!
本の紹介です。
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内容
社員を犠牲にしてまで「追うべき数字」なんてない―。「社員の働きやすさ」と「会社の利益」の両立…京都の小さな定食屋が生んだ「奇跡のビジネスモデル」とは?
(Amazon商品紹介欄より)
ざっとこんな感じです。
まずは本の内容を私の方で要約したいと思います。
本の要約
① 開業の経緯
著者の中村朱美さんは「定年退職したら、自分のレストランを開きたい」という夫の夢を「やりたいことがあるなら、いまやろう」と2012年に「佰食屋」を開業。
ブラックな状況が根強く残る飲食業界で中村さんが理想とする働き方を実現させようと考えた。
② やってみたら分かったこと
「1日100食限定」という制約を設けたら5つのメリットが生まれた。
- 「早く帰れる」退勤時間は夕方17時台
- 「フードロスほぼゼロか」で経費削減
- 「経営が究極に簡単になる」カギは圧倒的な商品力
- 「どんな人も即戦力になる」やる気に溢れている人なんていらない
- 「売上至上主義からの解放」より優しい働き方へ
③ これから
「働き方を極限まで絞ることで売上を上げているお店」で
「働き方の形は自分の人生に照らし合わせて決めることができる」状態を
「佰食屋 1/2」という形でフランチャイズ化し、全国で実現させたい。
『売上を減らそう。』という衝撃的なタイトルや「1日100食限定」というこれまであまりないビジネスモデルから、注目を集めております。
この本自体が既にたくさんの人に読まれており、この本以外にも「佰食屋」についてはネット記事などに掲載されているので、知っている方も多いかもしれませんね。
概要としては上記のようになりますが、中村さんの面白い考え方や想いは書ききれておりません…
そこで、すべては書き上げられませんが、私が印象に残った一文 BEST3を紹介したいと思います。
印象に残った一文 BEST3
1つ目。
できるだけみんなが楽しく、ストレスなく働くために、目の前のお客様に喜んでもらうために、「売上目標」はじゃまなのです
P125
…「売上目標はじゃま」。衝撃的です。
一般的には従業員に売上目標を明確に提示し、その達成状況を追いかけていくことで、目標達成を目指し、達成したらもっと高い売上目標を設定することが多いと思います。
しかしながら、佰食屋では「1日100食 ×営業日数」と売上の上限が決まっているので「もっと売り上げを上げよう」「そのために~しよう」みたいな思考にはそもそもならないというのです。
そこで従業員は「売上を上げること」ではなく「お客様の満足度を上げる」ことを第1優先にすることが自ずと出来るということです。
売上目標を意識しすぎるがゆえに「本当はお客様のためにこうするべきなんだけどな…」という心の声を聞き逃す事が誰しもあると思いますが、そもそもそうならない仕組みを作ったというのは画期的ですよね。
2つ目。
ここで重要なのは、「事業成長ありき」ではなく、「一人ひとりが成長してきたからこそ自然と売上を伸ばすことができた」という事実です。
P164
こちらも1つ目にピックアップした内容に通じるところがありそうです。
要するに「会社の成長→給与のベースアップ→従業員の成長」ではなくて、
「従業員の成長→給与のベースアップ→会社の成長」にするようにしているということだと思います。
どうしても経営者は会社の成長(事業規模の拡大)を気にしがちです(それ自体は間違っていることでも、いけないことでもありません)、が人の成長を優先させ、結果その人が活躍できる場として新たな事業を始める方が自然というのもうなずけます。
3つ目。
「誰かいい人はいないのか?」とふと口をついて出たとき、経営者は「どこかにいい会社はないのか?」という問いに、自分自身が胸を張って答えられる環境を用意できているか、考える必要があるでしょう。
P189
耳が痛い経営者の方も多いのではないでしょうか?グサッとくる一文ですよね。
佰食屋では、俗に言う「優秀な人財」は要らないそうです。
それは「提供するメニューが少なく、オペレーションがシンプル」という事もありますが、「会社に従業員が合わせる」よりも「従業員に会社が合せる」側面の方が強いからなのではないでしょうか。
詳細は割愛しますが、例えば佰食屋では超柔軟にシフトを組めるようです。
これからの時代、会社の体制は昔のままで人を集めようとしてもなかなか集まらないかもしれませんね。
まず人ありき。そしてその従業員が能力を最大限発揮できる環境が作れているか、見直すことも必要なのかもしれません。
まとめ
以上、印象に残った一文 BEST3を紹介しました。
いかがでしたでしょうか?
私がこの本を通じて強く感じたのは「常識を見直せ」という事です。
今、当たり前になっている事を何も考えずに続けることにはリスクになる。
佰食屋もそうですが、ものすごく高度なことや、誰も思い付いたことがないようないわゆる”イノベーション”的なことじゃなくてもいいと思うんです。
自分の「こうしたい!」というものの障害となる事に対して「普通こうやるけど、別の発想もないか?」と一度考えること。
まずはそこからでしょうか?
最後に誤解を招かないように書いておくと、「売上アップ」「事業拡大」を目指しバリバリ働くことを否定する内容ではありません。(著者の中村さんも本の中で明言しております。)
「こういう考え方、会社の運営の仕方もあるんだな~」ぐらいに参考にして頂けたら幸いです。
まだまだ紹介しきれていない内容がたくさんあります!
特に要約②やってみたら分かったこと に列記してある項目については「えぇ!?ほんと?」と正直思ってしまうような内容があり、目から鱗でした。
気になった方は是非読んでみて下さい。
また、面白い本があれば紹介します!
(文責:刈間)